サウジアラビア王国との租税条約が9月1日発効
カテゴリ:17.財務省関係 トピック
作成日:07/25/2011  提供元:21C・TFフォーラム



 「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とサウジアラビア王国政府との間の条約」が17日にその効力発生に必要な相互の通告が終了、9月1日に発効し、1)源泉徴収される租税は2012年1月1日以後に租税を課される額、2)源泉徴収されない所得に対する租税は2012年1月1日以後に開始する各課税年度の所得、3)その他の租税は2012年1月1日以後に開始する各課税年度の租税に適用される。

 条約は、日本国政府とサウジアラビア王国政府との間で昨年11月15日に署名。国際的な二重課税を調整するため、両国において課税できる範囲を明確にする規定等を設けている。また、その締結によって、税務当局間において、両国で生じた課税に関する問題についての協議や実効的な情報交換の実施が可能となる。これらにより、脱税及び租税回避行為を防止しつつ、両国の投資・経済交流を一層促進することが期待される。

 条約のポイントは、事業活動で取得する所得は、企業が進出先に恒久的施設(支店等)を設けて事業活動を行っている場合にのみ、その恒久的施設の行う事業活動により取得する所得に限定して、進出先で課税が行われる。また、投資所得は、投資先における課税を次のように軽減している。配当は、親子間(持株要件)5%(10%以上)、その他10%。債権から生じた所得(利子)は、政府等免税、その他10%。使用料は、設備の使用5%、その他10%。

 一方、税務当局間の協議に関する規定として、納税者は条約の規定に従っていない課税を受けたと考える場合には、これを解決するための税務当局間の協議(相互協議)を行うことを要請することができることとなっている。さらに、税務当局間の情報交換に関する規定を設け、税務当局間において、租税に関する情報を相互に交換することができることとされている。