平成23年度予算概算要求額は96兆7465億円
カテゴリ:17.財務省関係 トピック
作成日:09/06/2010  提供元:21C・TFフォーラム



 財務省は8月31日、平成23年度予算の概算要求と税制改正要望を締め切った。これを受け、政府は予算編成作業と税制改正の議論を本格化する。各省の要求額を集計すると一般会計総額で96兆7465億円に達し、当初予算で過去最大となった22年度の92兆円を上回った。このうち成長戦略の関連などに振り向ける「特別枠」を狙った要求は2兆9445億円。今後いかに優先度を見極め、メリハリのある予算に仕上げていくかが課題となる。

 7月に閣議決定した概算要求の新基準では、各省の歳出を原則として前年度当初予算より一律10%減らし、1兆円を超える特別枠を設けて重点分野に配分することとしているが、特別枠に対する要求項目では、公共事業や在日米軍駐留経費の思いやり予算など、既存の予算の付け替えが目に付き、従来の予算を大胆に組み替え、成長分野などに重点配分するという菅直人首相の思惑からは程遠い内容となっている。

 特別枠の対象は新成長戦略関連やマニフェスト関連、国民生活の安定・安全に資するものなど多岐にわたる。政府が各要求項目の優劣を判定するために行う政策コンテストで、これら目的の異なる施策の優先度をどう見極めるかが一つの注目点となる。一方、特別枠の財源の規模は、今後の査定でほかの歳出をどれだけ抑えられるかにより最終的に決まる。予算の組み替えがどこまで進むかは、歳出全体の削減努力にかかっている。

 税制改正では法人税率引下げが注目される。経済産業省は、要求官庁が自ら代替財源を工面するという原則があるにもかかわらず、代わりの財源を示さなかった。しかし、産業界では円高による企業の海外流出を防ぐため、追加経済対策の中で法人税引下げを前倒しで検討するよう求める声も強まっている。日本経済の先行きが依然不透明なだけに、原則にとらわれない議論が求められそうだ。

 一般会計概算要求額等は↓
http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/h23/h220901a.pdf