証明書類なければ登免税は減額されず還付もされないと棄却
カテゴリ:16.その他 裁決・判例
作成日:07/31/2006  提供元:21C・TFフォーラム



 共同担保に係る根抵当権の移転登記の際に登録免許税法13条2項適用の証明をせずに登録免許税を納付して登記を受けた後でも、納付税額が過大であれば還付請求が認められるか否かの判断が争われた事案で、国税不服審判所は共同担保の登記等に関する証明書の添付がなかった場合にも還付を認める旨の規定はないと判断、審査請求を棄却した。

 この事案は、審査請求人が共同担保に係る根抵当権移転登記申請書に記載した登録免許税相当額の収入印紙を貼付して原処分庁に提出することによって登録免許税を納付し、根抵当権移転登記を受けたことが発端になったもの。その後、登録免許税法13条2項(共同担保の登記等の場合の課税標準及び税率)を適用すると70万円余の税額の差額が生じることに気づき、所轄の税務署長に還付通知請求をしたものの、還付通知すべき理由がない旨の通知処分をしてきたため、その取消しを求めて審査請求していたという事案だ。

 請求人は、登録免許税法には登記申請の修正を認めない旨の規定がないから登録免許税法13条2項が定める証明書を添付して行った還付通知請求は認められるべきである、また証明書の添付がなかったという手続きの不備を理由に還付を認めないのは二重課税を容認することになり、通知処分は違法であると主張していた。

 しかし裁決は、登録免許税法には証明書の添付がない場合でも登録免許税法13条2項の適用を認める旨の規定はない、登記完了後に証明書を添付した還付通知請求をしても登録免許税法13条2項の減額規定は適用されない、さらに登録免許税額は同法9条に基づいて算出されたもので税額に誤りはないと指摘、審査請求を棄却している。

(国税不服審判所、2005.04.05裁決)