墓地管理に係る管理料収入は請負業に係る収入に該当
カテゴリ:01.法人税 裁決・判例
作成日:09/29/2015  提供元:21C・TFフォーラム



 墓地管理者が墓地使用権者から収受した管理料収入が、収益事業としての請負業に係る収入に該当するか否かの判断が争われた事件で国税不服審判所は、管理行為が収益事業たる請負業として行われており、請負業に係る収入と認められると判断して棄却した。

 この事件は、宗教法人である審査請求人が経営する霊園の墓地使用権者から収受した管理料収入が収益事業に係る収入に該当するとして、一旦、法人税及び復興特別法人税の確定申告をした後、管理料収入は収益事業に係る収入には該当しないとして法人税及び復興特別法人税の更正の請求をしたのが発端。これに対して原処分庁が更正をすべき理由がない旨の通知処分をしてきたため、宗教法人側がその取消しを求めて審査請求したという事案である。

 宗教法人側は、墓地管理者として墓地使用権者から永代使用料とは別個に管理料を収受しており、その管理料は墓地埋葬法等によって義務付けられた墓地全体の保全管理を行うための費用として収受しているのであるから、請負業に係る収入には該当しない旨主張して、原処分の全部取消しを求めた。

 これに対して裁決は、宗教法人が定めた霊園使用規程等によれば、墳墓地の貸付けと共用部分の管理運営等を行う管理行為とは業務形態として別個独立のものであり、それぞれの事業についての対価も別個に定められていると認定。

 さらに、墓地使用権者との間で、共用部分の管理行為に係る役務を提供すべきことを約し、墓地使用権者がその対価として管理料を支払う旨を約したのであって、宗教法人が提供する管理行為という役務の対価として管理料が支払われている関係にあるとみるのが相当であるとも指摘した。結局、管理行為は収益事業たる請負業として行われたものであり、その行為によって収受した管理料は請負業に係る収入と認められると判断、審査請求を棄却している。

(国税不服審判所2014.12.08裁決)