大蔵省検査を「抜き打ち制」から原則「予告制」に変更
カテゴリ:10.金融 トピック
作成日:02/17/1998  提供元:21C・TFフォーラム



 大蔵省は、現職金融検査官の接待汚職事件の反省を踏まえて、金融機関に対する検査体制を抜本的に見直す。金融行政が4月から早期是正措置制度を基軸とした事後チェック型に転換するのと整合性を持たせるため、現行の「抜き打ち検査」から「任意検査」を主体とするなど透明性を高める。従来も、資産査定やリスク管理といった部分的な検査の場合は、金融機関に着手日をあらかじめ予告していた。今後、早期是正措置の前提となる自己査定の評点が高い金融機関は次回検査から原則として予告制とし、検査間隔も4~5年に1回と延ばす。その半面、自己資本充実度に問題があり自己査定の評点も低い金融機関は抜き打ち制を維持し、毎年検査に入るなどメリハリを付ける。
 一方で、急速に増大しているデリバティブの検査要員確保のため、外部から数学やコンピュータ、国際会計の専門家を検査要員として雇用することを検討している。6月にも予定される総理府の金融監督庁発足後に予算枠や定員枠を詰める。また、デリバティブに強いと定評のある米国のFRB(連邦準備制度理事会)やOCC(通貨監督庁)など監督当局との人事交流も活発化し、検査官のレベルアップを図る方針である。