東京三菱銀、三和銀など大手行が資本注入策受け入れを表明
カテゴリ:10.金融 トピック
作成日:01/19/1998  提供元:21C・TFフォーラム



 公的資金による優先株などの引き受けに東京三菱銀行、三和銀行、横浜銀行をはじめ大手行が前向きな姿勢を表明している。「健全とはいえない銀行だけが申請すると経営不安視されない」との当局の意向を汲んで、まず大手行から資本注入することになったようだ。今回の資本増強策は「金融システムの安定を確保するための緊急・異例の措置」(政府)という側面があるとはいえ、自己資本比率が基準(BIS8%以上)を達成し、経営内容も健全な銀行に対して資本注入を行うことに異論が出ている。
 関係筋では、健全な銀行が公的資金で資金調達する以上、貸し出しに回すのではなく短期金融市場に出すなど、資金使途に条件を付与するべきとの意見が浮上している。大蔵省では、安易な公的資金投入がモラルハザードを起こさないよう金融危機管理審査委員会で厳正に審査するなど歯止めをかける。審査基準策定に当たり、(1)優先株を引き受けなければ内外の金融市場からの資金調達が極めて困難な状況になる、(2)地域経済に悪影響を及ぼす事態となる - などを要件とする方針である。