大蔵省・日銀、金融機関の「貸し渋り」を否定
カテゴリ:10.金融 トピック
作成日:10/28/1997  提供元:21C・TFフォーラム



 大蔵省は「貸し渋り」の問題で、金融各業態に緊急にヒアリング調査を実施した。来年4月の早期是正措置導入に伴い、金融機関の資産圧縮が融資の慎重姿勢につながり、結果として貸し渋りを招き、景気回復に悪影響を及ぼしているのではないかとの指摘が企業などから出ている。大蔵省のヒアリング調査は貸し渋り批判を検証するため実施したもの。貸出金の増加状況、早期是正措置導入に伴う審査基準見直しの実態などを調査したが「貸し渋りの事実は見られない」と否定している。
 一方、日銀も近く金融機関の融資行動の実態把握に乗り出す。日銀の基本姿勢は10月の「短観」における金融機関の貸出態度に関する企業調査の結果などを踏まえ、「金融機関と企業の認識に“温度差”があり、一律に貸し渋りがあるとはいえない」とする。しかし、融資の慎重姿勢が過度にならないか、経営が健全な企業まで融資を絞られることはないかなど、融資実態を点検する方針を固めた。