東京都の6信組再編で戦々恐々の取引先
カテゴリ:10.金融 トピック
作成日:01/29/1998  提供元:21C・TFフォーラム



 4月からの金融機関への早期是正措置導入を控え、先ごろ東京都が監督下にある6信用組合を他の信組や都市銀行に事業譲渡させることが明らかになったが、それらの信組の取引先企業が戦々恐々としている。金融機関が自己資本比率を高めるための“貸し渋り”で資金繰りが苦しくなっている状況に加え、頼りの取引信組の事業譲渡で、現在の融資等の継続保障がさだかでなくなってきたからだ。
 再編策は、東興信組を永代信組に、豊信組を池袋信組に、品川信組、豊栄信組、逓信信組の3信組は大東京信組に事業譲渡させる方針だが、問題は、住友銀行に事業譲渡する西南信組のケースだ。西南信組は住友銀行系列だが、都銀の取引先審査基準に合致する同信組の取引先は皆無といわれ、系列信組とはいえカットされるのは確実という。過去に三和信組を吸収合併した東海銀行の場合では、同行は融資渉外4係を設置して信組取引先の整理を図り、合併後1年以内で全てカットされている。
 6信組の事業譲渡時期は都の予算措置がからむことから早くとも今秋かそれ以降が有力とされている。また、東京都では、取引カットの事態から企業を支援するための制度融資や信用保証協会の融資を受皿として用意する方針という。とはいうものの、該当企業にとっては、当分不安な日々が続きそうな今回の信組再編である。