第一歩を踏み出す東京都の中小企業向け債権市場
カテゴリ:10.金融 トピック
作成日:03/09/2000  提供元:21C・TFフォーラム



 石原慎太郎東京都知事の選挙公約の一つである中小企業向けの債権市場の創設は、いよいよ3月23日(信用金庫は3月27日)に融資実行されることになって、その第一歩を踏み出すことになった。融資対象企業は約1800社、融資総額約700億円だ。
 この債権市場構想は、日本初の行政主導による債権発行、日本初の中小企業への新規融資債権を証券化してのローン担保証券(CLO)の発行、日本初のCLO発行に際する東京信用保証協会による信用保証の活用─の3つの“日本初”が仕組みの特徴。一定の条件を満たした中小企業に対する新規融資債権をまとめて担保としてSPC(特定目的会社)が債権(基本的に国内債)を発行し、金融機関や証券会社などの機関投資家に販売する。また、融資金額は最大5千万円、固定金利(市場金利に連動)で、期限前返済は認めず3年後に一括返済(半期ごとに金利前払い)する。
 中小企業向けの新債権市場での第1回目の債権発行が行われるわけだが、「より直接金融に近い仕組みにしろ」との石原知事の注文から、この4月以降、新たなスキーム作りの模索を重ね、第2回目以降の債権発行につなげる予定という。