大蔵省、信頼回復に向け5項目の改善策取りまとめへ
カテゴリ:10.金融 トピック
作成日:03/31/1998  提供元:21C・TFフォーラム



 大蔵省は、職員の接待汚職事件の教訓を踏まえて業務改善策を早急に取りまとめ、実行に移す方針を固めた。同時に、信頼回復が急務として、現在進めている職員550人の内部調査をできる限り正確に精査し、必要に応じて厳正な処分を行う。キャリアを含む幹部職員の逮捕で、省内の士気低下を懸念する声が若手職員を中心に高まり「自分たちで前向きに改革していく」との機運が熟しているため、全省レベルで改革を進める。
 検討課題としてあがっているのは、(1)政策を考えていく時に横断的に幅広く議論していくプロセスを重視する、(2)活性化のため、外部の意見を反映するための具体的な方法を検討する、(3)アカウンタビリティ(説明責任)を真摯に実行する、(4)仕事のやり方を見直し自分自身にゆとりを持つための改善策、(5)幅広い人材育成と新しい時代にマッチしていくための対応を考える― 5項目。省内の幹部会会議や企画官会議などでさらに議論を煮詰めるとともに、職員からもいろいろな意見を聞き、反映させていく考えだが、大蔵省の自浄能力がどこまで機能回復しているかが改革の成否を握っているといえそうだ。