金融ビッグバン本番、「大競争・大連携時代」に突入
カテゴリ:10.金融 トピック
作成日:01/05/1998  提供元:21C・TFフォーラム



 98年は金融ビッグバンが本番を迎える。商社、リースなど一般企業と内外のプレーヤー(金融機関)の競争は4月の改正外為法施行で火蓋が切られる。“為銀主義”の廃止で銀行は外為業務での独占的な地位を失う。業態の垣根を越えた商品開発・金融サービス提供がし烈になり、1200兆円の個人金融資産を巡り「大競争・大連携時代」が幕を開ける。今年は金融行政・金融政策も大きく変わる。金融機関は自ら貸し倒れ資産を認定する自己査定が義務付けられ、4月から自己資本比率を経営指標とする早期是正措置制度の運用が開始される。自己責任原則が一層重みを増す。政府からの独立性を強化した新日銀法も4月から施行され、6月には総理府に金融監督庁が設置される。大蔵省の金融企画局の所管は金融制度の企画・立案という最低限の信用秩序維持に限定される。
 金融ビッグバンの中核となる証券市場改革では、証券取引法・証券投資信託法の全面改正、証券会社の免許制から登録制への移行などの環境が整備される。金融・証券税制では、有価証券取引税の税率が軽減され、金融持ち株会社やSPC(特別目的会社)に対する特例税制も創設される。金融機関がグローバルスタンダード(国際標準)に立脚し、一刻も早い信頼回復と情報開示を徹底、経営の透明性をどこまで高められるかが、ビッグバンの成否を左右する。