銀行の貸渋りの裏に企業の格付けがある
カテゴリ:10.金融 トピック
作成日:04/07/1998  提供元:21C・TFフォーラム



 いま銀行の「貸渋り」が問題になっているが、貸渋りの裏に銀行による融資先企業の格付けが行われていたことが明らかになった。貸出先企業の格付けを実際に行っているのは、大手都市銀行から地方銀行、信用金庫までと幅広く、しかも、格付けする手法も似通っている。たとえば、某大手都市銀行のケースを例にとると、各支店は貸出しに際して、貸出先の法人税申告書のコピーが付いた決算書を本店に送る。本店では、送られてきた決算書を基に「格付け評点基準テーブル表」に沿って採点し、結果をプリントして支店長に返送。それは65%ほどの数字が入力されていて、残りの35%を現場から得た情報に基づいて支店長が埋めていく。それにより出てきた採点結果をもとに各支店の格付けランク別融資限度額の枠内で融資を決定するという方法を取っている。採点は「安全性項目」「収益性項目」「成長性項目」「返済能力」といった分類のなかに自己資本比率や売上高経常利益などの項目が10ほどあり、満点で200点。130点未満は「格付4」から「格付け10」まで分類され、いずれもリスクが高くて融資を回避することになっている。