金融・資本市場の課題は公的金融改革と税制の抜本的見直し
カテゴリ:10.金融 トピック
作成日:03/01/2001  提供元:21C・TFフォーラム



 市場メカニズムと自己責任原則に基づくフリー・フェア・グローバルな市場運営への転換を目指して大幅な規制緩和や制度改革が行われた日本版ビッグバンも今年度末で終わるが、経営者の約7割が今回の具体的改革を評価しており、今後の課題は税制の抜本見直しと考えていることが経済同友会が同会の幹事・各委員会委員365名(回答143名)に対して1月に行った「金融制度改革に関する企業経営者意識調査アンケート」でわかった。
 調査結果では、日本経済活性化に向けた金融制度改革を「多いに評価できる」及び「ほぼ評価できる」とする回答が72%を占め、「評価できない」の27.3%を上回っているが、その理由として半数以上の経営者が「スピード・内容とも言えないが、とりあえず望ましい方向へ進んでいるから」と諸手を挙げて評価はしてはいない。また、これまで行われてきた金融改革の中で評価できるものは、金利・手数料・料率の自由化などの「業務の自由化」や「新規参入・相互参入の促進」などが多く、有価証券取引税・取引所税の撤廃などの「税制の見直し」に対する評価は低い。
 一方、金融・資本市場に残された課題としては、民間との競争条件同一化など「郵貯・簡保・公的金融の改革」や株式投資への税制優遇、金融所得の総合課税化等の「税制の抜本的見直し」のほか、連結納税制度の導入などを挙げる経営者が多い。