大蔵省銀行局が異例の人事、ビッグバンにらみ幹部の大半留任
カテゴリ:10.金融, 14.各省庁関係 トピック
作成日:07/15/1997  提供元:21C・TFフォーラム



 大蔵省銀行局の幹部人事は、山口銀行局長(入省67年)、中井審議官(68年)、杉井審議官(69年)の“トップ3”が留任、近畿財務局長に出る墳崎参事官(70年)の後任は窪野総務課長(71年)、福田保険部長(68年)も3年目と異例の布陣。主計局など他局に比べ年次が高くなった。銀行課長、中小金融課長も留任する。審議官に昇格した五味調査課長(72年)は来年7月発足予定の金融監督庁を担当するため「(幹部は)局内から出ていないのと同じ。これで来年は大幅異動になるのは確実」(省内)との声がもっぱらだ。
 銀行局がこれほどの重厚な布陣を敷かざるを得ないのは、金融検査部と銀行・証券局の監督部門を大蔵省から分離する金融監督庁移行と、橋本首相指示の日本版ビッグバン(金融大改革)推進が背景にある。今秋の臨時国会には銀行法罰則強化の関係法改正案、金融持ち株会社法案を提出。来年4月導入の早期是正措置対応など金融行政転換の重要課題が山積しており、局を挙げて取り組まざるを得ない事情がある。