預金保険の新スキーム、拓銀と道銀合併で適用の可能性も
カテゴリ:10.金融 トピック
作成日:10/13/1997  提供元:21C・TFフォーラム



 経営不振同士の銀行合併にも資金援助の発動を可能にする預金保険法改正案が国会に提出された。大蔵省は、金融システム安定を図るため「あらゆる事態を想定して“支援ツール”を用意する」(銀行局幹部)との方針から、法案成立後は即公布・施行する。10月9日、従来型の対等合併を発表した福徳銀行となにわ銀行も、同改正案が成立した段階で資金援助適用を視野に入れて改めて合併方法を再検討するとの意向を示している。また、不良債権問題の認識の相違から先頃、合併を延期した北海道拓殖銀行と北海道銀行の場合も、大蔵省検査による不良債権が確定すれば同スキームを使った合併交渉が再開される可能性も出てきた。
 新たな資金援助スキームは2000年度末までの時限措置で大蔵大臣の斡旋が前提になる。当事者銀行は消滅、経営者は総退陣させるなど、モラルハザード防止の歯止めはかかっているが、どういう基準で斡旋するのか、預金保険機構による資産買い取りの方法、二次ロスが生じた場合、誰が負担するのか ― など不透明な部分も多く、国会審議で争点となりそうだ。