銀行法・証取法の罰則強化で検査虚偽報告に懲役刑
カテゴリ:10.金融 トピック
作成日:09/30/1997  提供元:21C・TFフォーラム



 大蔵省は、銀行法、証券取引法の罰則強化の具体策を固め、「金融機関罰則整備法案」を10月初めに臨時国会に提出する。野村証券・第一勧業銀行による総会屋への利益供与事件の再発防止などの観点から、米国並みに罰金刑を重くし悪質行為を厳しく罰することに主眼を置いている。ポイントは、銀行法に基づき実施している大蔵省検査の回避や虚偽報告に対し、新たに懲役刑(1年以下)を設ける。罰金も個人300万円以下(現行50万円以下)、法人2億円以下(現行50万円以下)と大幅に引き上げる。
 証取法ではインサイダー取引の罰則を懲役3年以下(現行6月以下)、法人の罰金を3億円以下(現行50万円以下)に強化する。また、ディスクロージャー違反は最高刑5年(現行3年)で執行猶予がつかず実刑となる。合わせて公訴時効も3年から5年に延長され「かなり遡って追求できるため、コンプライアンス(法令遵守)の意識が変わってくる」(証券局)と見ている。大蔵省では、総会屋などの排除に対する社会的要請が強いことから法案成立後、周知期間を通常の6ヵ月程度から1ヵ月程度に短縮し、来年早々から施行する方針。