簡易課税制度の効力が失われるのは事業廃止届出書の提出後
カテゴリ:03.消費税 裁決・判例
作成日:07/11/2006  提供元:21C・TFフォーラム



 簡易課税制度選択届出書の効力が喪失するのは、事業廃止届出書の提出があった日の属する課税期間の末日の翌日か、それとも事業を廃止した日の属する課税期間の末日の翌日と解釈すべきか否かの判定が争われた事案で、国税不服審判所は事業廃止届出書の提出がない限り、事業を廃止した日の属する課税期間の翌課税期間以後も簡易課税制度を選択しなければならないと判断、審査請求を棄却した。

 この事案は、簡易課税制度を選択していた審査請求人が、事業を廃止した日の属する課税期間の末日の翌日に簡易課税制度届出書の効力が喪失すると判断、本則課税に基づく仕入税額控除に基づく更正の請求をしたところ、原処分庁が更正すべき理由がない旨の通知処分をしてきたため、その取消しを求めて争われていたもの。

 審査請求人は、事業廃止届出書の提出がなくとも事業の廃止という事実は否定されるものではないから、事業廃止届出書の提出の有無にかかわらず、事業を廃止した日の属する課税期間の末日の翌日に簡易課税制度選択届出書の効力は失すると主張して、原処分の取消しを求めていた。

 これに対して裁決は、消費税法37条2項、4項は簡易課税制度を選択している事業者が事業を廃止した場合は事業廃止届出書を提出しなければならず、その届出書が提出された日の属する課税期間の末日の翌日以後に簡易課税選択届出書の効力が失われると規定していると指摘。その結果、消費税法37条2項に基づく事業廃止届出書を提出しない限りは、事業を廃止した日の属する課税期間の翌課税期間以後も簡易課税制度を適用しなければならないと判断、審査請求を棄却している。

(国税不服審判所、2005.01.07裁決)