消費税の還付に関する判断基準を示した文書開示請求を認容
カテゴリ:03.消費税 裁決・判例
作成日:04/27/2004  提供元:21C・TFフォーラム



 開示請求された文書の不存在を理由にした不開示決定の可否が争われた事件で、富山地方裁判所(永野圧彦裁判長)は消費税の還付処理を留保すべきか否かの判断基準を示した文書は開示請求文書に含まれると判断、不開示決定の取消しを求めた税理士の主張を全面的に認容する判決を下した。

 この事件は、税理士が税務署に対して情報公開法3条、4条1項に基づいて「法人課税部門における消費税の還付手続について、消費税法施行令第64条に規定される『当該不足額が過大であると認められる事由がある場合を除き』とする例外的取扱いの判断基準の記載を含む行政文書(既に廃止されたものがある場合は、その文書も含む。)」という文書の開示請求をしたことが発端になったもの。

 これに対して富山税務署が、開示請求文書の不存在を理由に不開示決定したため、税理士がその取消しを求めて提訴していた事案。この開示請求文書は、消費税法施行令64条に基づき例外的に消費税の還付を保留する判断基準を記載したもので、この文書が存在するか否かが争点になっていたわけだ。

 これに対して判決は、金沢国税局長が管内の各税務署長に、法人の消費税還付申告に係る事務処理手順等に関する通達を平成12年6月30日に発出している事実を認定した上で、その概要を紹介。その上で、消費税の還付申告書が提出された場合、その通達に基づいて還付処理を保留するもの、速やかに還付処理を行うものに分類し、その判断は控除不足額が過大と認められる事由があるとの判断に密接に関連した前段階での事務処理における判断であるというべきであり、還付処理を保留するか否かの判断基準を記載した文書は、開示請求文書に含まれると解釈、税理士の主張を全面的に認める判決を下した。

(2004.04.14 富山地裁判決、平成15年(行ウ)第2号)