施設等を伴わない駐車場も消費税の課税取引の対象と判断
カテゴリ:03.消費税 裁決・判例
作成日:10/11/2011  提供元:21C・TFフォーラム



 駐車場が消費税法上の課税資産の譲渡等に当たるか否かの判断が争われた事件で国税不服審判所は、駐車場としての地面整備や区画設置等がされていると認定した上で駐車施設等の利用に土地が使用される場合に該当すると判断、審査請求を棄却している。

 この事件は、消費税等が無申告だった不動産貸付業を営む者の駐車場の貸付けを、原処分庁が課税資産の譲渡等に該当すると認定、決定処分等をしたことが発端。これに対して請求人が、土地の貸付けに該当するため消費税は非課税であり、免税事業者にも該当すると主張、決定処分等の取消しを求めていた事案。

 つまり請求人は、消費税法施行令8条が規定する駐車場等に土地が使用される場合とは、アスファルト舗装、料金徴収設備、建物及び屋根などの施設を伴ったものを指すと解されるが、請求人の駐車場には一般常識的に施設といわれるものは一切ないという主張をして取消しを求めていたわけだ。

 これに対して裁決は、消費税法施行令8条の趣旨及び消費税法基本通達6-1-5の(注)1の定めから、駐車場施設として土地が使用される場合に、請求人が主張するような施設の利用も伴って初めて課税対象の取引とされるとまでは解されないと指摘。その上で、請求人は各駐車契約において、各賃借人に対して区画を指定し、車両の駐車目的に限定して貸し付けており、各駐車場には砂利やアスファルトを敷き、場所によってロープや白線、区画番号表示をしたり、車止めブロックを設置していることなどを認定。結局、駐車場の用途に応じて地面整備や区画設置等をしていると認められるから、駐車場その他の施設の利用に伴って土地が使用される場合に該当すると判断、審査請求を棄却している。

(国税不服審判所、2010.03.02裁決)