マッサージ師に支払った外注費は給与等に該当すると裁決
カテゴリ:03.消費税 裁決・判例
作成日:12/18/2001  提供元:21C・TFフォーラム



 消費税の申告をめぐってマッサージ師に支払った外注費が給与所得に該当するか否か、つまり課税仕入れとして仕入税額控除が認められるか否かが争われていた事案で、国税不服審判所は所得税法28条の給与等に該当するため所得税の徴収義務を負うと判断、審査請求人が求めていた課税処分に対する取消請求を斥ける裁決を下した。

 この事案は、6人のマッサージ師と業務委託契約書を交わして施術所施設を提供するという形でマッサージ業を営んでいた審査請求人が、消費税の計算の際、6人のマッサージ師に支払った費用を外注費と判断、仕入税額控除した上で申告したことが発端になったもの。これに対して原処分庁が、外注費ではなく給与等にあたると認定、消費税の更正処分、過少申告加算税の賦課決定処分、さらに源泉所得税の納税告知処分、不納付加算税の賦課決定処分をしてきたため、請求人がその取消しを求めていたという事案だ。請求人は、マッサージ業務に介入・干渉できる余地はなく、営業主体とはなり得ないことを理由に、給与を対価とする役務の提供に係わる支出ではないと主張していた。

 裁決は、請求人とマッサージ師との契約書等の事実認定を行った上で、マッサージ師が1)営業時間、施術コースや施術料金、業務時間、服装、休憩等の項目にわたって定められた規則に従って業務に従事し、2)顧客に対する責任は請求人にあることなどから、請求人とマッサージ師との間には雇用関係があると認定。外注費は給与等を対価とする役務の提供に係るものに該当し、消費税法上の課税仕入れには該当しないと判断した。ただ、源泉所得税の税額計算の一部に誤りがあったため、結果的には一部取消しの裁決となった。

(国税不服審判所、2000.2.29裁決)