山砂利は土地に包含されるため土地の譲渡であると裁決
カテゴリ:03.消費税 裁決・判例
作成日:02/08/1999  提供元:21C・TFフォーラム



 山砂利を採取加工、販売を目的にした土地の購入をめぐって、山砂利代金額部分が課税仕入れにあたるか否かが争われていた審査請求事案で大阪国税不服審判所は、山砂利は土地と別個のものではないため土地の譲渡にあたると判断、納税者の主張を棄却した。
 この事案は、山砂利を採取加工して販売することを目的に土地を購入した業者が、売買契約書で土地と山砂利の代金が区別されていたことから、山砂利代金額分は消費税法上の課税仕入れに該当する判断、その消費税額を控除して申告したのが発端。しかし、原処分庁が山砂利の採取は土地所有権の行使にあたると認定、消費税の更正処分等をしたことから、納税者がその取消しを求めていたという事案だ。納税者は、山砂利が土地と同時に取引されたとしても山砂利はそれ自体で土地以外の効用を有しているから、土地とは異なる課税処理をすべきであり、原処分は違法であると主張していた。
 これに対して審判所は、地中の岩石や土砂は土地を構成していて土地と別個のものではなく、土地所有者はそれを自由に使用、収益、処分できる土地所有権を有しており、仮に土地の価額が適正な基準に基づいて土地部分と山砂利部分が区分計算された取引であったとしても、土地と離れた別個のものであるとは認められないと指摘。そのため、山砂利は請求人が土地所有権の行使の一面としてこれを採取することによって商品となるものであるから土地に包含され、その取引は土地の譲渡に当たると認定した。つまり、消費税法別表第一第一号に規定する土地の譲渡に該当するため非課税取引に当たると判断、審査請求を棄却したものだ。
 (大阪国税不服審判所、1997.12裁決)