破産会社への交付要求に係る取消請求は不適法と裁決
カテゴリ:03.消費税 裁決・判例
作成日:07/06/1998  提供元:21C・TFフォーラム



 裁判所から破産宣告を受けた会社の更正処分に係る消費税の滞納について原処分庁が破産管財人に対して交付要求したことから、破産管財人がその取消しを求めて審査請求していた事案で、国税不服審判所は交付要求の取消しを求める審査請求は不適法なものであると判断、審査請求を却下した。
 却下の理由として審判所はまず破産会社の性格に触れ、消費税が破産宣告後の原因に基づくものであっても「破産財団に関して生じたもの」として財団債権に当たると指摘。その上、問題となった消費税はもともと破産宣告前の原因に基づく更正処分に係るものであることから、いずれにしても財団債権に該当すると認定している。
 また、滞納消費税の交付要求についても、破産管財人に対して既に発生している納税義務に係る弁済を催告するものにすぎないというべきであり、交付要求によって新たに権利義務が発生することもなく、国民の地位や権利義務に変動を生じさせるものでないことは明らかであるとの判断を行った。
 こうした見解を示して、原処分庁が破産管財人に対して行った消費税の滞納を理由とした交付要求は行政庁の処分、その他の公権力の行使に当たる行為にも該当せず、交付要求処分の取消しを求めて行った破産管財人の審査請求は不適法なものであると判断、請求人の主張を斥けている。
(国税不服審判所、1997.6.19裁決)