日税連が「税理士が主宰する会計法人」への当面の対応策
カテゴリ:13.会計士・税理士業界 トピック
作成日:07/31/2013  提供元:21C・TFフォーラム



 税理士法第2条第2項は、税理士業務に付随して税理士の名称で会計業務を業とすることができるとし、税理士が税務会計面の専門家であることを規定しているが、税理士業務の実態をみると、税理士が商法又は有限会社法上の会社形態で記帳代行を専門とする会社を設立し、税理士業務に付随する会計業務をこれに委託する形態があり、税理士業務との区分が判然としない部分がある。

 このため日本税理士会連合会(池田隼啓会長)はこのほど、主宰税理士とその会計法人との関係のあり方を早急に検証し指標となる事項を示すこととし、その当面の対応策をまとめた。対応策は次の4項目。


1)

税理士業務と会計業務及び主宰税理士の責任:税務代理、税務書類の作成、税務相談は税理士業務であり当然税理士として責任を負う。財務書類の作成、会計帳簿の記帳代行などの会計業務は法律上の制限はないが、これが税理士業務に合わせて委嘱されるときには税理士法上の税理士の業務とされ、税理士としての責任が生ずる。すなわち、税理士は税務に関する専門家のみならず会計面の専門家でもあり、この立場からも社会的信頼に応えることが要請される。この要請に応えるためには、主宰会計法人の代表者には必ず主宰税理士自身が過半数を超える出資の割合をもって就任し、責任を負うべきである。
 

2)

主宰会計法人の所在地と支店営業所の設置の是非:主宰会計法人の所在地は、管理監督上から、原則として税理士事務所と同一場所とすべきである。同様の趣旨から、その法人の支店及び営業所は設置すべきでない。
 

3)

会計業務の契約のあり方と主宰会計法人への委託:主宰会計法人は、あくまで税理士事務所の会計業務の下請機関であることを明確にする必要がある。したがって、会計業務は主宰税理士が税理士業務とともに一括して契約したうえで、これを主宰会計法人へ委託する方式の採用を徹底すべきである。
 

4)

主宰会計法人の使用人に対する監督:主宰税理士は、使用者責任上から、その使用人が当該法人の名で税理士業務を行うことのないよう監督しなければならない。
 

 なお、今後、税理士業界の秩序維持の観点から、主宰会計法人の届出制の導入を含め具体的対応策を検討する、としている。