大蔵省検査の運営を抜本的に変更、「予告制」導入へ
カテゴリ:10.金融, 11.大蔵省関係 トピック
作成日:03/24/1998  提供元:21C・TFフォーラム



 大蔵省は金融検査を巡る接待汚職事件を踏まえ、検査運営を4月から大幅に変更する。新体制では、原則として金融機関に予告して検査に着手する。「予告制」導入に伴い、抜き打ちで支店に立ち入り、金庫の現金・有価証券などと帳簿を突き合わせる現物検査を廃止する。リスク管理の観点から、デリバティブや債権流動化手法を組み合わせて不良債権を“飛ばす”行為に注意を喚起するため、簿外査定を強化する。
 4月から早期是正措置が実施されるため、前提となる資産の自己査定を金融検査で重点的にチェックする。自己査定の内部統制や適正な償却・引当が行われているかきちんと把握するため、金融機関の監査人や外部監査に当たる公認会計士からの聴取を重視する。また、コンデライアンス(法令の遵守)検査も強化する。予告検査導入や現物検査の廃止に伴い、検査日程を従来の半分程度(都銀で約1ケ月強、地銀で約2-3週間)に短縮し、全体として検査頻度を2年程度に1回と高める。6月に金融監督庁が発足するのを機会に、検査行政も金融行政と同様に自己責任原則の徹底を促し、透明性の高い手法に改めるのが狙いである。