著しく広大な土地とはいえないと広大地評価の適用を否定
カテゴリ:05.相続・贈与税 裁決・判例
作成日:10/03/2007  提供元:21C・TFフォーラム



 相続した土地が改正前の財産評価基本通達の広大地に該当するか否かの判定が争われた事案で、国税不服審判所はその地域の標準的な宅地の地積に比して著しく広大な土地であるとはいえず広大地の評価方法を適用することはできないと判断、審査請求を棄却した。

 この事案は、審査請求人が相続によって取得した土地の評価にあたって、原処分庁が改正前(平成16年6月4日付課評2-8による改正)の財産評価基本通達24-4が定める広大地の評価の適用ができないとして相続税の更正、さらに過少申告加算税の賦課決定処分をしてきたため、相続人がその取消しを求めて審査請求していたもの。

 審査請求人は、広大地評価を適用するための標準的な宅地の地積は第一種住居地域の平均的な広さの200平方メートルを標準的な宅地の地積とすべきであると主張して、原処分の取消しを求めていた。

 これに対して裁決は、改正前の広大地評価の取扱いを定めた財産評価基本通達24-4の趣旨に触れ、潰れ地が生じることを宅地の価額に影響を及ぼす客観的な個別事情として、価格減少が認められる範囲で減額の補正を行うこととしたものであると指摘。その趣旨に沿って相続した土地の近隣の利用状況を調査した上で、一部は住宅用地として使用されているものの、大部分が倉庫敷地、事務所敷地、駐車場に利用されていること、地積の平均が約1970平方メートル程度であると認められることから、地域の標準的な宅地の地積に比して著しく広大な宅地であるとはいえず、広大地の評価を適用できないとして審査請求を斥けている。

(国税不服審判所、2006.12.08裁決)