生産緑地申請中の農地の生産緑地評価にNOと裁決
カテゴリ:05.相続・贈与税 裁決・判例
作成日:06/13/2005  提供元:21C・TFフォーラム



 都市計画案の生産緑地地区内にあった農地が、相続開始後に生産緑地に指定された場合にも、財産評価基本通達40-2(生産緑地の評価)を適用して減額評価されるか否かが争われた事案で、国税不服審判所は相続開始日において生産緑地として制限された土地とは認められないため、生産緑地評価はできないと判断、審査請求を棄却した。

 この事案は、生産緑地地区にする旨の都市計画案の同意書の提出を求められた被相続人が自治体に同意書を提出したものの、申請が継続中に相続が開始したことがそもそもの発端。そこで、税務調査で修正申告を慫慂された審査請求人は相続で取得したその農地に対して生産緑地の評価(評基通40-2)を適用して算定した課税価格を基に、修正申告には応じず、減額更正の請求の申告をしたところ、原処分庁が更正をすべき理由がない旨の通知処分をするとともに更正処分の上、過少申告加算税の賦課決定処分をしてきたため、その取消しを求めて審査請求した事案だ。

請求人は、相続開始日現在に生産緑地地区内の農地ではなかったが、被相続人が生産緑地地区にする旨の同意書を提出し、縦覧対象地域として県報に公告されていたほか、法定申告期限までには生産緑地地区として告示されていたことなどを理由に、生産緑地としての評価が認められるべきであると主張していた。

 これに対して裁決は、相続開始日に生産緑地として制限がある土地とは認められないので、評基通40-2を適用することは認められないと指摘するとともに、たとえ生産緑地として申請中の農地であっても、生産緑地法創設時の経過措置を準用して生産緑地の評価を適用することはできないと厳格に解釈、審査を棄却している。

(国税不服審判所、2004.06.22裁決)