同業者団体等が主催する海外視察等の渡航費の取扱い
カテゴリ:01.法人税 トピック
作成日:10/12/2016  提供元:21C・TFフォーラム



 同業者団体等が主催して実施する海外視察等に参加する役員や使用人は少なくないが、その機会に併せて観光が行われる場合の海外渡航費の取扱いについては、国税庁の法令解釈通達により具体的取扱いが明らかにされている。原則として、「同業者団体その他これに準ずる団体が主催して行う団体旅行で主として観光目的と認められるもの」は、法人の業務の遂行上必要な海外投稿に該当しないとされている。

 そこで、同業者団体等が行う視察等のための団体による海外渡航については、課税上弊害のない限り、その旅行に通常要する費用(その旅行費用の総額のうちその旅行に通常必要であると認められる費用をいう)の額に、旅行日程の区分による業務従事割合を基礎とした損金又は必要経費算入の割合を乗じて計算した金額を旅費として損金の額又は必要経費の額に算入する。ただし、次に揚げる場合には、それぞれ次による。

 1)その団体旅行に係る損金等算入割合が90%以上となる場合は、その旅行に通常要する費用の額の全額を旅費として損金の額又は必要経費の額に算入する。2)その団体旅行に係る損金等算入割合が10%以下となる場合は、その旅行に通常要する費用の額の全額を旅費として損金の額又は必要経費の額に算入しない。ただし、海外渡航の参加者である使用人に対する給与と認められる費用は、給与として損金の額又は必要経費の額に算入する。

 3)その海外渡航が業務遂行上直接必要であると認められる場合(「業務従事割合」が50%以上の場合に限る)は、その旅行に通常要する費用の額を「往復の交通費の額(業務を遂行する場所までのものに限る)」と「その他の費用の額」とに区分し、「その他の費用の額」に損金等算入割合を乗じて計算した金額と「往復の交通費の額」との合計額を旅費として損金の額又は必要経費の額に算入する。

 上記に定める「損金等算入割合」は、業務従事割合を10%単位で区分したものとする。また、上記に定める「業務従事割合」は、旅行日程を「視察等(業務に従事したと認められる日数)」、「観光(観光を行ったと認められる日数)」、「旅行日」及び「その他」に区分し、「視察等の業務に従事したと認められる日数」/(「視察等の業務に従事したと認められる日数」+「観光を行ったと認められる日数」)の算式により計算した割合とする。

 この法令解釈通達では、そのほか、業務従事割合の基礎となる日数の区分を定めている。例えば、日数の区分は、昼間の通常の業務時間(おむね8時間) を1.0日としてその行動状況に応じ、おおむね0.25日を単位に算出。また、視察等の日数は、工場や店舗等の視察、見学・訪問などのような視察等でその参加法人や個人の業種業態、事業内容、事業計画等からみてその法人や個人の業務上必要と認められるものに係る日数とするとしている。

 同法令解釈通達はこちら