意見聴取後の修正申告書提出に加算税適用せず
カテゴリ:08.国税通則法 トピック
作成日:01/18/2013  提供元:21C・TFフォーラム



 国税庁は昨年末、書面添付制度の運用に当たっての基本的考え方等を定めた事務運営指針を改正し、意見聴取後に提出された修正申告書に係る加算税の取扱い規定を削除した。平成25年1月1日から運用されている。平成23年12月の国税通則法の改正により、調査手続きについて「事前通知」などの現行の運用上の取扱いが法令で明確化されたことから、関連する事務運営指針を見直したもの。

 書面添付制度は、税務代理権限証書を税務当局に提出している税理士が、財務省令で定められた一定様式の書類に必要事項を記載し申告書に添付していれば、税務調査を受けることとなった場合に意見陳述できる制度。意見聴取により税務当局の疑問点が解明したときには、調査に至らないこともある。意見聴取は、調査を事前に通知した場合に限られる。

 意見聴取後に提出された修正申告書に係る加算税の従来の取扱いは、原則として加算税は賦課しないとしたうえで、ただし書きで、「加算税の適用に当たっては、非違事項の指摘を行ったかどうかの具体的な事実認定により『更正の予知』の有無を判断することになるから、修正申告書が意見聴取の際の個別・具体的な非違事項の指摘に基づくものであり、『更正の予知』があったと認められる場合には、加算税を賦課することに留意する」と規定されていた。

 改正された事務運営指針では、この規定を削除するとともに、「意見聴取における質疑等は、調査を行うかどうかを判断する前に行うものであり、特定の納税義務者の課税標準等又は税額等を認定する目的で行う行為に至らないものであることから、意見聴取における質疑等のみに基因して修正申告書が提出されたとしても、当該修正申告書の提出は更正があるべきことを予知してされたものには当らないことに留意する」との規定を追加している。