第二次納税義務者の不服申立は第二次納税義務発生から起算
カテゴリ:08.国税通則法 裁決・判例
作成日:10/26/2004  提供元:21C・TFフォーラム



 第二次納税義務者が主たる納税者の課税処分に係る審査請求をする場合の不服申立期間に係る起算点がいつからになるのかの判断が争われた事件で、東京地裁(藤山雅行裁判長)は第二次納税義務者に納付が告知され、第二次納税義務が発生した日を起算点とすべきであると判断、納税者の主張を認容する判決を下した。

 この事件は、法人税の第二次納税義務の納付告知処分を受けた者が、主たる課税処分の取消しを求めて審査請求したものの、不服申立期間の徒過を理由に却下されたことから提訴した事案だ。つまり、元々、法人税の課税処分が違法なのであるから、第二次納税義務も発生しないという考えのもとに審査請求、課税処分の取消しを求めたわけだ。

 国税不服審判所が被告になった事案でもあるが、国税不服審判所は、第二次納税義務者が主たる課税処分に係る取消訴訟の原告適格を有するものの、時期に遅れた取消訴訟の提起を許すと、徴税の安定と能率を害する恐れがあると主張、納税者の主張の棄却を求めた。つまり、第二次納税義務者であっても、不服申立期間の起算日は主たる課税処分が主たる納税義務者に告知された時から起算するという立場にたって主張を繰り広げたわけだ。

 これに対して判決は、不服申立期間の起算点を主たる課税処分が主たる納税者に告知された日とすることは、第二次納税義務者も原告適格を認められるにもかかわらず、実質的に主たる課税処分の適否を争う機会が与えられないことになり、著しく妥当性を欠くと指摘。その結果、第二次納税義務者に納付告知され、第二次納税義務が発生した日をもって起算点と解すべきであると判示、納税者の主張を認容する判決を下した。

(2004.1.22 東京地裁判決、平成15年(行ウ)第362号)