不服申立期間を経過した後の審査請求は却下の対象
カテゴリ:08.国税通則法 裁決・判例
作成日:04/26/2000  提供元:21C・TFフォーラム



 不服申立期間を経過した後に行った異議申立てが、国税通則法の定める正当な理由によるものか否かが争われていた審査請求事案で、国税不服審判所は請求人が不服申立期間を経過したことに「天災その他のやむを得ない事情」は見あたらないと判断、結局、不服審査請求も不適法なものであるとして却下した。

 この事案は、所得税の過少申告加算税の賦課決定処分の取消しを求めて、請求人が加入しているある組合名で地裁に訴訟を提起したものの、同組合には訴えの資格はないという理由から敗訴になったが、さらに課税処分に不満があることからその取消しを求め、改めて自らの名前で審査請求したもの。そこで、請求人は課税処分の通知が届いた時に、組合長に異議申立てができる旨の電話等の連絡がなかったため、不服だったものの早期に異議申立てできなかったこと、また私製の様式で異議申立てや嘆願書等の提出を行ったものの異議申立ての指導や回答がなかったことを理由に、審査請求したというわけだ。

 これに対して裁決は、過少申告加算税の賦課決定処分の通知を受けた日の翌日から異議申立てが認められる2ヵ月経過日が、課税処分の日から1年経過する日以前に到来していることから、やむを得ない理由は認められないと指摘。また、天災その他やむを得ない理由とは、不服申立てをしようとしても自己の責任に帰することができない事由により不可能であると認められる客観的な事情がある場合に限られるものの、請求人が主張するような事情は天災その他やむを得ない理由には当たらないと判断して却下している。

 (国税不服審判所、平成10年12月25日裁決)