裁判所の破産債権の確定を理由にした減額更正の請求を否定
カテゴリ:08.国税通則法 裁決・判例
作成日:06/18/2002  提供元:21C・TFフォーラム



 ゴルフ会員権を購入した者からの裁判所への届出債権が破産債権として債権表に記載されたことが、更正の請求が認められる国税通則法23条2項1号に定める「後発的事由」に当たるか否かが争われた事案で国税不服審判所は、届出債権は不法行為に基づくものであるため、課税標準や税額等の計算の基礎の事実に関する訴えについての判決には該当しないと判断、ゴルフ会員権販売代行会社の破産管財人の審査請求を棄却した。

 この事案は、ゴルフ会員権販売代行業を営む法人が、会員権を購入した会員からの破産宣告の申立てによって、裁判所から破産宣告を受ける一方、会員権を購入した者から破産債権として届出された金額が破産債権として確定した旨、債権表に記載されたことが発端になったもの。そこで、同法人の破産管財人となった請求人が、ゴルフ会員権の購入代金の返還請求債権が破産債権として確定した旨記載されたことは判決と同一の効果を有することから、収益に計上した販売手数料収入は減額されるべきであると主張、国税通則法23条2項1号を理由に減額更正の請求をしたものの、原処分庁が更正すべき理由がない旨の通知処分をしてきたため、その取消しを求めていたという事案だ。

 これに対し裁決は、裁判所への届出債権は会員からの不法行為による損害賠償に基づくものであると指摘。そうであれば、届出債権を裁判所に届け出た行為をもって、破産管財人とゴルフ場経営会社との間で締結された会員募集業務委託契約等、課税標準や税額の計算の基礎となった事実の存否、効力等を直接に審判の対象とした訴えがされたとはいえないことから、国税通則法23条2項1号に定める判決には該当しないと判断、棄却した。

  (国税不服審判所、2001.6.27裁決)