源泉所得税の納付日は金融機関が収納手続をした日と判断
カテゴリ:08.国税通則法 裁決・判例
作成日:01/26/2010  提供元:21C・TFフォーラム



 源泉所得税の納付の日が、金融機関の窓口で納税資金を預金口座から引き落として日本銀行の歳入代理店に納付手続を依頼した日であるのか、またその金融機関が実際に収納手続をした日のいずれになるのかの判定が争われた事案で、国税不服審判所は金融機関が収納手続をした日が源泉所得税の納付日であると判断、審査請求を棄却した。

 この事案は、原処分庁が審査請求人の5ヵ月間にわたる給与等の源泉徴収に係る所得税の延滞税に関する督促処分をしてきたのに対して、請求人が源泉所得税は納期限までに納付されており延滞税は発生しないので、督促処分に違法又は不当があると取消しを求めていた事案。つまり請求人は、A銀行の支店が納期限日に源泉所得税を弁済受領し、弁済者が弁済受領権限のある者に対して既に弁済を完了しているのであるから、決済日は預金口座から引き落とした日の翌日ではなく、弁済当日の日となると主張していたわけだ。

 これに対して裁決は、銀行の内部規定によれば、国税の払込みは翌営業日付取引の依頼として預かり、受取証兼引換証を交付するとこととされていることから、同規定に基づいて受取証兼引換証を交付したことが推認できると指摘。その結果、納付期限日に納付したのであれば同日に領収証書が交付されるべきところ、受取証兼引換証には預り日として納付期限日が、手続ご指定日として納付期限の翌日が別々に記載されていることからすれば、一金融機関として翌営業日に納付手続を行う目的で金銭及び納付書等を預かったものであり、納付期限の翌日に源泉所得税を国庫金として収納したと認められることから、納付期限日に源泉所得税の納付が完了したとはいえないと判断、審査請求を棄却した。

(国税不服審判所、2009.01.19裁決)