税額を期限内に納付しても申告書が未提出なら無申告加算税
カテゴリ:08.国税通則法 裁決・判例
作成日:04/20/2004  提供元:21C・TFフォーラム



 法定申告期限内に消費税額を納付したものの、申告書の提出が法定申告期限後にされた場合も無申告加算税が賦課されるか否かの判断が争われた審査請求事案で、国税不服審判所は無申告加算税の賦課は税額が申告期限内に納付された否かに左右されることはないと示唆、無申告加算税の賦課決定処分の取消しを求めた審査請求を棄却する裁決を下した。

 この事案は、法定申告期限内に消費税額を納付したものの、申告書の提出が法定申告期限後になってしまったことが発端になったもの。これに対して原処分庁が期限後申告に当たると判断、国税通則法66条に基づく無申告加算税の賦課決定処分をしてきたため、その取消しを求めて審査請求されていたという事案だ。

 審査請求した法人は、期限後申告となったのは税務職員の誤指導によるもので正当な理由があること、既に税額を申告期限内に納付しているのであるから無申告加算税を賦課するのは酷過ぎることなどを理由に、無申告加算税の賦課決定処分の全部取消しを求めていた。

 これに対して裁決は、誤指導があったような客観的な事実は認められないと指摘。また期限後申告になったのも、税務申告を依頼した会計事務所の職員が消費税には申告期限延長制度がないことを知らずに、消費税についても申告期限延長制度があるものと誤認していた結果によるものと認定した。

 その上で、無申告加算税は法定申告期限内の申告書の提出義務の不履行に対して、行政上の措置として一律に賦課されるものであり、申告書に係る税額が法定申告期限内に納付されたか否かによって左右されるものでもないから、原処分を適法と判断、審査請求を斥ける裁決を下している。

(国税不服審判所、20002.12.04裁決)