経理担当者の仮装・隠蔽は納税者本人の行為と同視
カテゴリ:08.国税通則法 裁決・判例
作成日:11/01/1999  提供元:21C・TFフォーラム



 重加算税の要件である故意に「隠蔽・仮装」した行為があったか否かの事実認定が争われていた事案で、国税不服審判所は経理担当者の積極的な行為によって故意に事実を仮装したと認定するとともに、経理担当者の仮装・隠蔽の行為は納税者本人の行為と同視すべきであると、納税者の重加算税の取消請求を棄却する裁決を下した。
 この事案は、製造業を営む法人の経理担当者が取引先8社との16取引について、経費等の根拠となる納品書、請求書等の発行を取引先に依頼して提出させていたのが発端になったもの。請求人サイドは、各取引は経理担当者の経理知識の欠如等が起因になったもので、脱税の目的はなかったのであるから重加算税の賦課要件を満たしていないと主張、重加算税の取消しを求めていたという事案だ。
 しかし、裁決は、重加算税の賦課には申告に際し納税者が過少申告を行う認識を有していることまでは必要でないと解釈。その上で、請求人の購買手続きや納品書・請求書の発行手続きの商慣行等に照らせば、経理担当者が行為の意味を認識していなかったとは認められず、むしろ経理担当者の積極的な行為によって故意に事実を仮装したことが認められると判断した。また、各取引に係る隠蔽・仮装行為は、納品書等を取引先に作成させることによって、所得金額の計算上、架空の損金を作り出して利益調整する結果になっていることから、各経理担当者の行為は請求人の行為と同じものとみるのが相当であり、各取引から生じた過少申告の責任は請求人が負うべきであると裁決、納税者が行った重加算税の取消請求を棄却した。  (国税不服審判所、1998.12.2裁決)