郵送による申告書の提出日の判定は通信日付印が原則
カテゴリ:08.国税通則法 裁決・判例
作成日:02/26/2001  提供元:21C・TFフォーラム



 郵送で送った確定申告書が法定申告期限内に郵便ポストに投函されたか否かの事実認定が争われていた無申告加算税賦課決定処分等取消請求事件で、東京地裁(及川憲夫裁判長)は、封筒に表示された通信日付印の日が法定申告期限後のものである以上期限後申告に該当すると判示、納税者が求めていた原処分の取消請求を棄却した。
 この事件は、郵送で行われた確定申告書の消印が法定申告期限後であったことから、原処分庁が期限後申告にあたると認定して無申告加算税の賦課決定処分等をしてきたことが発端。これに対して納税者が、申告書を法定申告期限内に郵便ポストに投函したことがビデオテープの録画から証明できるので期限内申告にあたると主張、原処分の取消しを求めていたという事案だ。通常、申告書が税務署に到達した時に初めて申告等の効力が発生するという到達主義がとられているが、国税通則法22条は、申告書が郵送で提出されたような場合については通信日付印の日に提出されたものとみなす発信主義を例外的に採用している。その立証手段として、納税者はビデオテープの録画をあげていたわけだ。
 判決は、国税通則法22条の趣旨は効率的な事務処理の観点から提出日の判定を画一的に行う必要性が高いため、通信日付印等を提出日の判定基準としているものであるから、その方法以外の証拠等によって個別に提出日を証明し、かつ判定することは許されないと指摘。結局、通信日付印の日が法定申告期限後の日である以上、それは期限後申告とみなすべきであると判示、納税者の主張を斥けている。
(2000.4.26 東京地裁判決、平成11年(行コ)第60号)