新たな確定給付企業年金(DB)「リスク分担型」の会計処理案示す
カテゴリ:09.企業財務 トピック
作成日:06/10/2016  提供元:21C・TFフォーラム



 企業会計基準委員会(ASBJ、小野行雄委員長)は6月2日、実務対応報告公開草案第47号「リスク分担型企業年金の会計処理等に関する実務上の取扱い(案)」等を公表した。8月2日までコメントを求めている。

 公開草案は、「『日本再興戦略』改訂2015」に基づき、平成28年度に導入予定の新たな確定給付企業年金の仕組み(「リスク分担型企業年金」)に係る会計処理等を明らかにしたもの。リスク分担型企業年金を簡単に言うと、厚生労働省で導入が検討されている「リスク対応掛金」(不況期等の掛金増加につながらないよう、あらかじめ将来発生するリスクを測定し、その水準を踏まえて拠出できる掛金)を用いて、将来発生する財政悪化リスクを労使で柔軟に分担できる仕組みだ。

 公開草案では、主に1)会計上の退職給付制度の分類、2)分類の再判定、3)会計処理、4)退職給付制度間の移行、5)開示、が示されている。

1)企業の拠出義務が、制度の導入時の規約に定められた掛金の拠出に限定され、企業が当該掛金の他に拠出義務を実質的に追っていない場合、確定拠出制度に分類。それ以外は確定給付制度に分類する。

2)確定拠出制度に分類されたリスク分担型企業年金は、制度導入後、新たな労使合意に基づく規約の改訂の都度、会計上の確定給付制度の分類を再判定する。

3)確定拠出制度に分類されたリスク分担型企業年金は、規約に基づきあらかじめ定められた各期の掛金の金額を、各期の費用として処理する。

4)確定給付制度から確定拠出制度に分類されるリスク分担型企業年金に移行する場合、退職給付制度の終了として会計処理する。

5)確定拠出制度に分類されるリスク分担型企業年金は、イ)企業の採用するリスク分担型企業年金の概要、ロ)リスク分担型企業年金に係る退職給付費用の額、ハ)翌期以降に拠出することが要求されるリスク対応掛金相当額および当該リスク対応掛金相当額の拠出に関する残存年数、を注記する。

 詳細は、こちらを参照のこと。