「不適切な会計・経理を開示した上場企業」は42社~TSR
カテゴリ:09.企業財務 トピック
作成日:06/16/2015  提供元:21C・TFフォーラム



 2014年度(2014年4月~2015年3月)、「『不適切な会計・経理』により過年度決算に影響が出た、あるいは今後影響する可能性があることを開示した上場企業は42社」を数えたことが東京商工リサーチ(TSR)の調べで分かった。前年度に比べ4社増、2007年の調査開始以来最多。「監査法人から会計処理のミスなどを指摘されて過年度決算の訂正を行ったケースが依然多い」(TSR)。

 42社を内容別にみると、「その他」が18社と最も多く、以下、「子会社によるもの」16社、「架空・水増し売上」6社と続く。最多の「その他」の内訳は様々。「集計ミスや資産の誤評価などによる誤った会計処理」など単純ミスから、「従業員が不良品の発生を隠蔽し、在庫を改ざん」など業績や予算達成を目的としたケース、「代表者に対する不正な利益供与」や「元従業員による不正行為による会社資金の着服横領」などコンプライアンスを無視した犯罪性の高い事例まで散見されたという。

 「子会社によるもの」は前年度から3社増え、発生当事者別では構成比38.0%と最も高い。「薬局を経営する子会社が診療報酬を不正請求」や、「中国子会社が実体のない取引を行い、過年度決算の訂正で一気に債務超過に転落」したケースなど「不適切会計の温床が徐々に子会社にシフトしている様子がわかった」(TSR)。

 「企業がグローバル化を進める中、目が行き届き難い海外子会社を舞台とする不適切会計」が今後も増えていくのか、親会社の管理能力が問われている。

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