IFRS収益認識の“国内基準化”に向け、意見募集~ASBJ
カテゴリ:09.企業財務 トピック
作成日:02/05/2016  提供元:21C・TFフォーラム



 企業会計基準委員会(ASBJ、小野行雄委員長)は2月4日、「収益認識に関する包括的な会計基準の開発についての意見の募集」文書を公表した(コメント期限は5月31日)。収益認識に関する包括的な会計基準の開発にあたり、ベースとしている国際会計基準(IFRS)第15号「顧客との契約から生じる収益」(と同様の内容の基準)を日本企業に適用した場合に考えられる課題などについて、意見を問うもの。文書は、「公表の経緯及び質問事項等」、「第1部 IFRS第15号に関して予備的に識別している適用上の課題」、「第2部 IFRS第15号の概要」、の3部構成、全体で約120頁に及ぶ。

 特に、内容の要といえる、第1部の「適用上の課題」は、IFRS第15号を適用するための5ステップ(1:顧客との契約を識別→2:契約における履行義務を識別→3:取引価格を算定→4:取引価格を契約における履行義務に配分→5:履行義務の充足時に(または充足について)収益を認識)に関る論点を17抽出。これら論点を「収益認識の金額や時期に影響を与える」、「財務諸表における収益の表示に影響を与える」、「その他」の3つに分類、それぞれの「論点の概要」、「具体的事例」、「日本基準又は日本基準における実務」、「IFRS第15号での取扱い」、「財務報告数値の相違」、「予備的に識別した適用上の課題」、「影響を受けると考えられる取引例」、「具体的事例における影響」を説明している。


ステップ1:

1)契約の結合、
2)契約の変更、

ステップ2:

3)約束した財又はサービスが別個のものか否かの判断、
4)追加的な財又はサービスに対する顧客のオプション(ポイント制度等)など、

ステップ3:

5)変動対価(売上等に応じて変動するリベート、仮価格等)、
6)返品権付き販売、

ステップ4:

7)独立販売価格に基づく配分、

ステップ5:

8)一定の期間にわたり充足される義務、
9)一時点で充足される履行義務など。

 なお、今回の「基準開発は、一部のグローバルな企業だけでなく、これまでIFRSを意識してこなかった企業にも広範な影響を与える可能性があり」、要必読の文書だ。

 詳細は、こちらを参照のこと。