IFRS移行への理由やコストなどをレポート~金融庁
カテゴリ:09.企業財務, 14.各省庁関係 トピック
作成日:04/17/2015  提供元:21C・TFフォーラム



 金融庁は4月15日、「IFRS適用レポート」を公表した。レポートは、昨年6月に閣議決定された「『日本再興戦略』改訂2014」に基づき、IFRS任意適用企業(適用予定を含む)69社にヒアリング等を実施(回答65社:回収率94.2%)、IFRS移行に際しての課題への対応やメリットなどをまとめたもの。本編16頁、資料編77頁から成る。

 質問項目は、1)IFRSの任意適用を決定した理由、2)IFRSへの移行準備・移行コスト、3)IFRS移行時の課題をどう乗り越えたか、4)監査対応、5)移行によるメリット、6)IFRS移行によるデメリット、7)IFRSに関連する要望、8)任意適用を検討している企業へのアドバイス。

 調査結果を概観すると、例えば1)については、「海外子会社等が多いことから、経営管理に役立つ」との回答が29社と最多。以下、「比較可能性の向上」(15社)、「海外投資家への説明の容易さ」(6社)、「業績の適切な反映」(6社)、「資金調達の円滑化」(5社)と続く。

 2)については、移行期間の平均年数は3年8ヵ月。「売上規模の大きい企業ほど、移行期間が長くなる傾向がみられ、移行期間の長短は、システム対応に要する期間によるところが大きい」。移行コスト(主としてシステム対応)は、「各企業の規模及びシステム構築方針、そしてIFRS導入の目的・メリットとして何に重点を置くかにより様々」。また、「売上規模の大きい企業ほど、移行コストが多額となる傾向がみられる」。

 3)の課題として、最も多数の企業が挙げたのが「特定の会計基準への対応」(60社中43社)。具体的には、有形固定資産の減価償却方法の選択、耐用年数の見積り、収益認識など。このうち、収益認識における出荷基準については、「検収基準に修正した」ケースが散見された。

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