会計方針の変更の範囲を特定も~ASBJ・税効果適用指針
カテゴリ:09.企業財務 トピック
作成日:10/23/2015  提供元:21C・TFフォーラム



 企業会計基準委員会(ASBJ、小野行雄委員長)が現在検討中の、税効果会計における繰延税金資産の回収可能性に関する計上ルールの見直しが佳境を迎えつつある。年内には「適用指針」として確定化させる意向であることから、公開草案へのコメント対応も着地点が図られている。

 残されている大きな論点は、
1)適用初年度の期首の影響額、
2)早期適用、
の取扱い。
 このうち2)は、公開草案での提案と同様、平成28年3月31日以後終了する連結会計年度および事業年度の年度末に係る連結財務諸表および個別財務諸表から、で決着しそう。

 一方、1)は、適用初年度に特定した条項を適用することにより、これまでの会計処理が変更される場合、利益剰余金に計上することを考察。「監査委員会報告第66号の趣旨を超えて定めを追加し実質的な内容を変更しているものを特定し、特定した条項を会計方針の変更として取り扱う考え方を採用する」旨、提案している。具体的には、以下の3項目を「会計方針の変更として取り扱う」。


(1)

(分類2)に該当する企業において、スケジューリング不能な将来減算一時差異について回収可能であることを合理的に説明できる場合には回収可能性があるとする取扱い(第21項参照)

(2)

(分類3)に該当する企業において、おおむね5年を明らかに超える見積可能期間(例えば7年超など)においてスケジューリングされた一時差異等に係る繰延税金資産が回収可能であることを合理的に説明できる場合には回収可能性があるとする取扱い(第24項参照)

(3)

(分類4)の要件に該当する企業であっても、将来において5年超にわたり一時差異等加減算前課税所得が安定的に生じることを合理的に説明できる場合には(分類2)に該当するものとする取扱い(第28項参照)。

 詳細は、こちらを参照のこと。