「公共施設等運営権」等の会計上の取扱いを新規テーマに~FASF
カテゴリ:09.企業財務 トピック
作成日:12/04/2015  提供元:21C・TFフォーラム



 企業会計基準委員会(ASBJ、小野行雄委員長)の新規テーマが決まりそうだ。11月20日開催の第324回会合において、テーマを選定する財務会計基準機構(FASF)「基準諮問会議」が、1)公共施設等運営権に係る会計上の取扱い(提案者:内閣府)、2)確定給付企業年金の新たな仕組みである「リスク分担型DB(仮称)」に係る会計上の取扱い(同:監査人)、を検討する旨、提言したからだ。

 このうち1)の公共施設等運営権制度は、「平成23年のPFI法(民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律)改正により創設」された。特に空港の分野で取組みが進行中。先行する事業では、平成28年3月末に事業移管がなされ、運営権者による事業運営が開始される見込みだ。

 政府の成長戦略(『日本再興戦略 改訂2014』)でも、「運営権方式を活用する場合における事業環境を整備するために『会計上の処理方法において、更新投資の償却や税金などの費用処理について実務的な観点から整理を行う』」旨、明記された。そこで、内閣府が会計上の取扱いや考え方を示すよう求めていた。

 検討の結果、次の評価が報告された。すなわち、「公共施設等運営権の取引金額は、多額になることが想定され、会計処理の明確化に関するニーズはある。会計処理が明確にされない場合には多様な会計実務が形成される可能性がある。これらを踏まえると、当該取引について」、ASBJでの検討が適切。ただし、現時点で日本においては「事例がない取引であり、また、いくつかの論点は、採用する方法により財務諸表に与える結果が大きく異なるため、判断が難しいことが想定される。開発は容易ではない可能性がある」。

 想定されている論点は、

(1)

公共施設等運営権の取得および運営期間中の費用認識について(減損会計の適用可能性を含む)、

(2)

公共施設等運営権対価の算定など。

 詳細は、こちらを参照のこと。