6年度有報レビュー~「退職給付」等に適切でない記載も
カテゴリ:09.企業財務 トピック
作成日:11/27/2015  提供元:21C・TFフォーラム



 金融庁は11月20日、「平成26年度有価証券報告書レビューの重点テーマ審査及び情報等活用審査の実施結果」を公表した。同レビューは、財務局等と連携し、有価証券報告書(有報)の記載内容の適切性を確保するためのオフサイト審査。26年3月31日から27年3月30日までを決算期末とする有報提出会社(4027社)の中から、「重点テーマ審査」および「情報等活用審査」の対象会社(360社)を抽出し実施。結果、今回の重点テーマ(退職給付、企業結合および事業分離等、固定資産の減損)に係る開示項目について、以下の通り、「記載が適切ではないと考えられる事例」を紹介している。

1) 退職給付(当年度新たに選定したテーマ)
 ・「企業の採用する退職給付制度の概要」に記載された制度と実際に採用している制度が一致していない事例
・「年金資産の主な内訳」において、内訳を具体的に記載しないで「その他」に含めることによって「その他」の割合が過大となっている事例等
 ・臨時に支払った割増退職金について、重要性があるにもかかわらず、「退職給付に関連する損益」において開示していない事例

2) 企業結合および事業分離等(昨年度からの継続テーマ)
 ・連結キャッシュ・フロー計算書に関する注記事項において、株式の取得により新たに連結子会社となった会社の資産および負債の主な内訳を記載していない事例

3) 固定資産の減損(昨年度からの継続テーマ)
 ・減損損失を認識するかどうかの判定に際して用いる将来キャッシュ・フローの見積りにおいて、資産または資産グループの現在の価値を維持するための合理的な設備投資に関連するキャッシュ・アウト・フローが考慮されていない事例

 なお、詳細は、こちらを参照のこと。