税効果会計の新指針を公表へ~ASBJ
カテゴリ:09.企業財務 トピック
作成日:12/25/2015  提供元:21C・TFフォーラム



 企業会計基準委員会(ASBJ、小野行雄委員長)は12月25日開催の第326回会議で、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針(案)」を公表議決、28日に企業会計基準適用指針第26号として公表する。

 公開草案からの変更はほとんどない。ただ、適用初年度の影響額に係る会計処理を見直している。すなわち、剰余金調整とする範囲を特定、それ以外は損益で処理する。適用は、平成28年4月1日以後開始する連結会計年度および事業年度の期首から。早期適用も可。

 適用指針は、従来の日本公認会計士協会・監査委員会報告第66号における企業の分類(5分類)に応じて繰延税金資産の計上額を見積る枠組みを維持。その上で分類の要件と繰延税金資産の計上額の取扱いを見直し。特に、(分類2)、(分類3)および(分類4)に該当する企業には、少なからぬ影響がありそう。例えば、次の取扱いがそうだ。

イ)(分類2)に該当する企業において、一部のスケジューリング不能な将来減算一時差異について繰延税金資産の回収可能性があるものとする。

ロ)(分類3)に該当する企業において、5年を超える見積可能期間においてスケジューリングされた一時差異等に係る繰延税金資産が回収可能であることを合理的に説明できる場合には回収可能性があるものとする。

ハ)(分類4)の要件に該当する企業であっても、「将来において5年超にわたり一時差異等加減算前課税所得が安定的に生じることが合理的に説明できる場合には(分類2)」、「将来においておおむね3年から5年程度は、一時差異等加減算前課税所得が生じることが合理的に説明できる場合には(分類3)」に該当するものとして取り扱う。