決算発表早期化8割以上の会計士が監査期間の延長要望
カテゴリ:13.会計士・税理士業界 トピック
作成日:10/09/2015  提供元:21C・TFフォーラム



 日本公認会計士協会(JICPA、森公高会長)が10月6日付で「会社法監査に関する実態調査-不正リスク対応基準の導入を受けて-」(公認会計士制度委員会研究資料第2号)を公表した。主に、決算短信の開示早期化等の影響を分析するとともに、監査現場の実態を会員アンケートで確認。「監査品質の維持・向上のために適正かつ十分な監査期間」を確保する旨求めている。

 同資料は、東証からの「決算発表の早期化の要請」により、「早期化に呼応して監査期間の短縮が図られ」、「決算発表のスケジュールを勘案して監査報告書日が決定されているという実務が存在している」と指摘。事実、決算発表以前に会社法における会計監査人の監査報告書を入手している平成27年3月期決算会社は970社。全体(2366社)の41.0%にのぼっている。

 では、「監査期間の短縮化による監査実務への影響」を
1)上場会社の監査に従事し
2)監査法人に所属
3)会員登録後10年以上経過した会計士はどう捉えているか。
アンケート(回答者数455人、回答率9.3%)結果では、次の通り。


(ア)

突発事項が生じた際、時間的余裕がなくなるリスクや見落としが起こるリスクが増加する(90.1%)

(イ)

監査人による長時間の残業対応などにより監査時間をねん出することが必要になっている(88.6%)

(ウ)

監査に必要となる人員がひっ迫する傾向がある(86.4%)

 なお、「決算日後の監査期間を延長することが望ましいかどうか」との問いに対し、84.4%が「望ましい」と回答している。

 詳細は、こちらを参照のこと。