ゴルフ会員権の譲渡損通算ができない2つのパターン
カテゴリ:04.資産税 トピック
作成日:12/09/1997  提供元:21C・TFフォーラム



 当局によるゴルフ会員権の譲渡損失否認事件が注目されている。否認の根拠は、その会員権にはプレー権が法的に消滅しているというものだが、ゴルフ場の倒産や会員の権利関係は非常に微妙なものだけに、最終的には“事実認定”に委ねられるようだ。
 税務当局は、ゴルフ会員権を「プレーできる権利」と「預託金返還請求権」の2つの権利で構成されているとし、その上で、譲渡損失(損益通算)ができない2つのパターンを掲げ、注意を呼びかけている。
 具体的には、
 (1)ゴルフ場の倒産等によってプレー権が消滅している会員権の譲渡
 (2)預託金の返還を受けた場合
 の2パターンである。
 (1)は、残された権利が「預託金返還請求権」という金銭債権だけであり、その譲渡は譲渡所得ではなく「雑所得」としての損失になり、損益通算の対象とはならないというもの。(2)は、バリエーションが2つあり、1つは、預託金が満額返ってこないケースであり、今1つは償還にあたっては入会金部分が返還されないケースである。いずれにしても、「預託金返還請求権」は金銭債権であるから、所得税法の考え方からすれば、損益通算はできないことになる。