同族会社の判定基準は「持株割合」から「議決権割合」へ
カテゴリ:04.資産税 トピック
作成日:08/12/2003  提供元:21C・TFフォーラム



 国税庁はこのほど、一連の商法改正を受けて財産評価基本通達の一部を改正し、取引相場のない株式の評価を改めたことを明らかにした。

 取引相場のない株式の評価については、平成13、14年の商法改正において、単元株制度の創設や株式の多様化が図られたことから、同族株主以外の株主等が取得した株式であるか否かについての基準は、株主が有する「株式数」は「議決権の数」に、評価会社の「発行済株式数」は「議決権総数」に変更して判定することとされた。

 事業経営への影響が少ない同族株主の一部や従業員株主などのような少数株主が所有する株式の評価は、単に配当を期待するにとどまるという実質のほか、評価手続きの簡便性をも考慮して、特例的評価方式である配当還元方式で評価することとしているが、これまで、その適用する株式の範囲については、評価会社における株主の構成やその持株割合により判定することとされていた。

 ところが、商法改正の影響によって、株主が有する株式の数と議決権の数が必ずしも一致しなくなったため、従来の株式数や発行済株式総数を基にした持株割合による判定から、より適正に会社支配力を測れる基準として、議決権の数や議決権総数を基にした議決権割合による判定に変更したもの。

 また、今年3月の法人税法の一部改正により、法人税における同族会社となる持株割合の基準が「50%以上」から「50%超」へ改正されたことに伴い、取引相場のない株式の評価における同族会社となる判定基準についても、「50%以上」から「50%超」に改正するなど、所要の改正が行われている。