申告漏れ財産の3分の1以上を現金・預貯金が占める
カテゴリ:04.資産税, 12.国税庁関係 トピック
作成日:10/04/2000  提供元:21C・TFフォーラム



 国税庁の平成11事務年度相続税調査事績によると、同事務年度(11・7~12・6)に1万4273件(対前年度比2.4%減)に対して行った調査で1万3442件(同3%減)から4930億円(同6.1%減)の申告漏れを把握したことがわかった。また、申告漏れ件数のうち22.9%に当たる3078件は故意に申告を除外したとして重加算税が賦課(重加算税賦課対象額959億円)されている。
 申告漏れ財産の内訳(構成比)をみると、現金・預貯金が1705億円(33.9%)で全体の3分の1を占め、以下、土地1224億円(24.3%)、有価証券(19.0%)と続いており、「バブル崩壊後の地価の下落、株価低迷及び低金利により現物(株式・割引債)や現金を隠匿するケースが増えており、特に現金・預貯金は構成比でみると平成4事務年度の2倍以上となっている」(同庁資産税)ことから、金融機関への調査を従来にも増して行うこととしている。また、海外財産を利用した申告漏れも増加していることから、不正の解明の糸口として被相続人の所得の把握のほか、施行された改正外為法に伴う国外送金資料なども有効利用していく方針だ。
 平成10年中の死亡者数は約94万人で、このうち約5万人が相続税の申告対象者。相続税の課税価格は13兆2164億円、相続税額は1兆6769億円で、前年に比べそれぞれ4.5%、13.0%減少している。