ストックオプション、J-REITの評価方法を通達に明記
カテゴリ:04.資産税 トピック
作成日:08/11/2003  提供元:21C・TFフォーラム



 国税庁はこのほど、ストックオプション及び不動産投資信託証券の評価方法を定めた「財産評価基本通達の一部改正について」(平成15年6月25日付)を公表した。

 会社が自社の取締役や従業員に対してあらかじめ定められた価格(権利行使価額)で、会社の株式を購入する権利を無償で与えられるストックオプションは、平成13年の商法改正により付与制限及び付与株式数の上限が撤廃され、上場企業の約3割が導入している。

 通達では、ストックオプションの価額は、評価の簡便性をも考慮した上で見積株価変動率等の不確定な要素が含まれている時間的価値を捨象し、課税時期において実際どれくらいの経済的価値を得ることができるかという「本質的価値」に基づき評価すべきだとしている。そして、上場株式又は気配相場等のある株式で、かつ、課税時期が権利行使可能期間内にあるものについては、課税時期における株式の価額から権利行使価額を控除した金額にストップオプション1個の行使により取得することができる株式数を乗じて計算した金額により評価することとされた。なお、評価額がマイナスの場合は「0」で評価する。

 また、投資法人等が多くの資産家から集めた資金を不動産投資等により運用して賃料等の収益を投資家へ分配する不動産投資信託証券(いわゆる日本版「J-REIT」)のうち上場されているものについては、原則として上場株式同様に1口ごとの課税時期の最終価格とされている。なお、不動産投資信託証券に係る投資口の分割等に伴う無償交付期待権又は金銭分配期待権の価額についても、評価基本通達192の新株無償交付期待権の評価又は同193の配当期待権の評価に準ずることとされ、金銭分配期待権は、「利益分配金」のほかに出資の払戻しである「利益超過分配金」の額も含まれる。

 通達は今年1月1日以後の相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価に適用される。