不正譲渡による重加算税賦課金額301億円
カテゴリ:04.資産税 トピック
作成日:01/20/1999  提供元:21C・TFフォーラム



 国税庁が19日に公表した平成9事務年度譲渡所得調査事績によると、実地調査3万414件の70.2%に当たる2万1,357件から2,816億円の申告漏れが把握された。このうち、
(1)譲渡所得金額の圧縮、
(2)架空の譲渡損失の計上、
(3)居住用財産の特例や保証債務の特例など特例の不正適用、
(4)ゴルフ会員権の譲渡損失に係る損益通算を悪用した不正還付
などの仮装・隠ぺいを行い重加算税を賦課されたものは2,574件でその金額は301億円に達し、前年と比べると件数は140件減ったものの賦課対象金額は59億円(24.4%)増加しており、事案が大型傾向にある。また、数年前に話題になった“脱税請負人”らしき人物も依然として裏で暗躍しているようで、今回も土地の譲渡価額の圧縮のため休眠法人を介在させ1億円余りを脱漏し3,696万円を追徴された岩手県でのケースや虚偽の金銭消費貸借契約書等を作成し不当に保証債務の特例を受けていたために3,551万円を追徴された愛媛県のケースなどにも関与していた。
 当局では、今後も不動産等の売買情報、ゴルフ会員権や株式の譲渡資料に加え、昨年4月からの外国為替法改正による国外送金等調書の提出制度に伴う資料なども有効活用して国内だけでなく海外の譲渡にも目を光らせていく方針だ。