土地取引減少で譲渡申告漏れ2割減
カテゴリ:04.資産税 トピック
作成日:01/25/2001  提供元:21C・TFフォーラム



 国税庁がこのほどまとめた平成11事務年度譲渡所得調査事績によると、昨年6月までの1年間の調査により1万6532件(対前年比15.9%減)から1853億円の申告漏れ所得金額を把握した。この金額は前年度に比べ21.5%も減少している。これは調査件数の減少もあるが、なによりも申告の9割が土地・建物であることから、バブル崩壊以降の地価の下落などによる土地取引の減少が大きく影響しているものと推測される。
 申告漏れが減少した結果、このうち仮装・隠ぺい行為があったとして重加算税が賦課された不正件数は1338件、120億円で、対前年比それぞれ28.2%減、32.9%減と大幅に減少している。
 不正事例では、架空の譲渡損失・経費の計上、ゴルフ会員権の架空譲渡による所得税の不正還付、各種特例の不正適用などのほか、近年目立って増えているのが海外不動産の譲渡関係事案だ。例えば、海外不動産を譲渡した際、海外不動産の販売法人から譲渡所得申告のための計算書類を受け取っていたにもかかわらず、海外不動産であることから税務署には分からないだろうと考え、譲渡所得を申告していなかったため重加算税を含め200万円を追徴された会社員の事案が報告されている。